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更新日:2023年09月26日
出発前、大型台風が台湾と沖縄に接近する天気予報がでていました。旅行会社に確認したところ、船会社からは情報は入っていないと言うので予定どおり旅行に参加しました。 台湾に1泊し、翌日基隆からクルーズ船に乗込みいよいよ出発です。キャビンに入ると封筒に入った手紙らしきものがあったので、中を開けてみるとどうやら船会社からのメッセージらしく、そこには不可解な内容が記されていました。 「台風で航路に支障が出る可能性があるので、安全を期して香港に向かいます。香港ではさまざまな観光や広東料理をお楽しみください。楽しい船旅になることをクルー一同願っております」これは、航路変更ということ?
このような事態になったことは誠に残念で、弊社としても困惑しております。日本出発前に船会社から連絡は入っていなく、予定どおり基隆から沖縄本島、奄美、そして石垣島を回るものと思っており、香港に向かうとは聞いていませんでした。 しかしながら、お客様にはご迷惑をおかけしているのでなんらかのお見舞いを考えております。
船会社の対応に配慮が欠けると認識し、お客様にはひとり1万円のお見舞い金を提示し解決。
気象観測の精度が著しく発達している現在、台風の進路はかなりの確率で確定されるようになってきました。この事案のポイントは、旅行会社は出発前に船会社からコース変更に関する連絡をもらっていないと主張していますが、旅行会社が積極的に情報を収集し⑩旅程管理をしていたのか、それを怠った結果として船会社からの航路変更の情報が遅れたのではないかという疑いがあります。 仮に出発前に参加者に航路の変更を連絡できていたとすれば、募約款第16条第2項の(1)に基づき、旅行者には解除権が認められますので、その機会を旅行会社が奪ったことになります。 旅行会社としては、なぜ出発前に船会社からの航路変更の情報を得ることができなかったのか原因を調査して、2度とこうした事態を招かない社内体制の整備が必要です。
⑩「旅程管理」という債務
募集型企画旅行における「手配債務」は、旅行会社が旅行者に約束した旅行サービスの提供(航空機、列車・バス、ホテル・旅館のサービス)が受けられるように手配することを請け負っているものです。しかしながら、その「手配債務」が完成していても、時間の経過のなかで予定から逸脱した事態が生じる恐れや、実際に逸脱した事態が生じる場合があります。手配した予定が確実に実施されるよう予約を確認し、予定を逸脱した事態が生じたときには、「旅程をできるだけ元の状態に戻すこと」が必要で、こうした予約の確実な実施と逸脱してしまった予定の原状復帰、もしくはこれに近い軌道に近づけることを「旅程管理債務」といいます。 この債務は、想定外の事態への対処ですから、手配債務とは異なり完成を約束するものではなく、旅行会社が旅行会社として通常の範囲で最善の努力をすれば債務は完了します。旅行者の多くは不測の事態に遭遇した場合、旅行会社の対応が不十分だと感じたときに「旅程管理ができていない」とクレームしてきますが、完璧な原状回復という結果をコミットしているものではありません。
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