苦情の報告 事例インデックス : 過去の主な事例索引 アルハンブラ宮殿を見渡す丘から涙しろと言うのか ? (2018年)

更新日:2023年10月03日


契約内容の変更取消 (旅行会社から) 観光施設入場/契約内容の変更・取消
契約形態 募集型企画旅行
申出人 男性:38歳
申込旅行 スペイン9日間
旅行代金 179,000円×2名
出発月 2017年4月

申出内容

出発一週間前になって旅行会社から電話がかかってきました。「誠に申し訳ございませんが、グラナダのアルハンブラ宮殿には入ることはできません」といいます。入場できない場合は代わりにアルバイシンの丘からアルハンブラ宮殿を眺める観光と居酒屋でのフラメンコショーを満喫くださいとのこと。
理由を聞くと、アジアからの観光客の増加により予約が非常に取りづらく、また、そのアルハンブラ宮殿観光ができない場合の断り書きもパンフレットに書いてあると、責任を放棄するかのような言い方です。
目玉の観光ができないなんて、妻に言ったら泣き出してしまいました。

会社側の見解

参加のお客様には状況を包み隠さず話しました。弊社ではこれまで、アルハンブラ宮殿観光ができなかったことはなく、解除権の提示はもちろん、ギリギリまで調整を続ける旨を説明しました。またお詫び金として、本来は変更補償金の対象ではないことを説明しつつも、変更補償金支払事由2の観光地の変更を参照し、旅行代金の1%をお支払することも重ねてお伝えしていました。

解決

出発直後、手配担当者の努力で、2つのグループに分かれての入場観光が可能になる。

解決の指針

旅行会社の手配が完了していない場合は、手配債務を履行していないことになり、損害賠償の対象となります。
この事案の論点は、「お取りできない場合は代わりの観光地をご案内いたします」というパンフレットの断り書きが、その旅行会社のアルハンブラ宮殿観光100%実施という過去の実績を総合的に勘案して、「打消し表示」として有効かどうかということになりますが、「打消し表示」の要件(本来の旅程の表示に近接した箇所に同じ大きさの活字表示、手配可能性の高い旅程を冒頭に表示する)を満たしていれば、恐らくは「不利な特約」として、無効と解される可能性はないのではないでしょうか。
しかしながら、人気が高く予約が取りづらい観光地を行程に組み込むことができなくなると、旅行会社の企画が成り立たず、翻ってはお客様に「エンタテイメントとしての旅行」をサービスすることが難しくなる懸念も生じるもの。
世界遺産等で人気が高く予約がとりづらい観光地を行程に入れて販売するかどうかは、その企画に応じて適宜決定するしかないものと考えます。

募集広告 【強調表示】と【打消し表示】

平成21年9月に旅行業公正取引協議会から通達された「強調表示と打消し表示の定義」は以下となります。

【強調表示】
強調表示とは、一般消費者に訴求するために、断定的又は目立つ表現を使って品質等の内容や価格等の取引条件を強調した表示をいいます。具体的には、サービス内容や旅行代金について、ツアータイトルに含めたり、ツアーのポイントとして強調したり、写真を掲載するなどして訴求することをいいます。

【打消し表示】
打消し表示とは、強調表示したことに例外条件・制約条件・付加的費用があることなど、一般消費者が通常は予期できないことについての表示(誤認のおそれがある表示)であって、その例外条件・制約条件・付加的費用のあるなしが、一般消費者が当該商品を選択する上で重要な考慮要素となるものをいいます。

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