苦情の報告 事例インデックス : 過去の主な事例索引 台風が近づいているのに、なぜ取消料がかかるのか ? (2017年)

更新日:2023年01月31日


よくある事例10 ② 旅行者の解除権
契約形態 募集型企画旅行
申込旅行 石垣島フリープラン(¥150,000×2名)
出発月 2016年7月

申出内容

石垣島行きのパック旅行に申し込んだ。出発日の前日に天気を確認したところ、台風が八重山諸島に近づいている。そんな天気では、マリンレジャーを楽しむことなどできない。旅行会社に取消を連絡したところ、取消料を請求された。手元にある契約書面には「天災地変、戦乱、暴動、運送・宿泊機関等のサービス提供の中止、官公庁の命令その他の事由が生じた場合において、旅行の安全かつ円滑な実施が不可能となり、または不可能となる恐れが極めて大きい時」とあり、旅行者は取消料なしで解除できると書かれている。取消料の請求には納得できない。

会社側の見解

せっかくのご旅行が、台風により不安なものとなってしまったことは残念に思います。しかし、現時点で石垣島への交通や現地宿泊機関の運送・宿泊サービスの提供の中止という情報は確認できません。今回の取消はお客様都合のものとして扱わざるをえません。また、マリンレジャーはお客様が自由行動中に楽しまれるものであり、当社との契約でいう、旅行サービスの提供ではないこともご理解のうえ、取消料のお支払をお願いいたします。

解決

消費者センターにもご相談をされたようですが、結局旅行会社の説明に納得をされて、取消料をお支払され、契約を解除した。

解決の指針

募約款第16条2項3号では、以下の2つの条件が成立して初めて、お客様は取消料を支払うことなく解除できることになっています。①お客様の「旅程に含まれた旅行サービス提供の中止、その他の事由がすでに発生したこと」または、「外出禁止・避難勧告等の警察や自治体等、官公署からの命令が発出されたこと」②「上記①の条件が成就した結果、旅行の安全かつ円滑な実施が不可能となる恐れが極めて大きい時」本事例のお客様としては、「台風が八重山諸島に近づいていること」が上記①の「その他の事由がすでに発生」していると言いたいのでしょう。しかし、未だ「運送・宿泊機関等のサービス提供の中止」にまで至っていない以上は、①の条件を満たしているとまでは言えないでしょう。したがって、旅行会社はお客様に取消料の支払いを求めることは可能です。ただし、運送・宿泊機関が営業していることのみをもって、旅行について、「安全かつ円滑な実施」が確保されたともいえないとも思われます。実際に催行した結果、台風直撃で旅行中に「重要な変更」に該当する変更が生じたような場合には、催行したことの責任が問われることにもなりかねませんので、信頼できる情報を収集の上、慎重かつ客観的に判断することが必要です。また上記の16条ではなく、旅行会社からの解除権(第17条1項7号)を行使してくださいというお客様がいますが、同様の理由で、要件に該当しませんので、応じる義務はありません。

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