苦情の報告 事例インデックス : 過去の主な事例索引 妊娠24週目以降は乗船できないと聞いていない。
説明不足の責任を取れ ! (2016年)

更新日:2023年09月25日


情報提供不足 / 誤案内 参加条件
契約形態 募集型企画旅行(受託販売)
申出人 男性43歳
申込旅行 「クルーズ長崎と韓国6日間」(旅行代金 205,000円×2名)
出発月 2016年4月

申出内容

他の旅行会社が企画・実施する海外クルーズ旅行を受託販売店に申込んだ。出発間際になって「旅のご案内」冊子が企画・実施会社から届き、そのなかに「出発時に妊娠24週目以降になる妊婦は乗船できない」と記載があった。妻は妊娠しており、出発日には妊娠30週目になる。このような条件を最初に販売店から聞いていれば申込まなかったし、このことを説明しなかったのは契約違反だ。だから、販売店は企画・実施会社に交渉して参加させるか、参加できないのであれば、取消料は払わない。また、参加できなかったことによる精神的苦痛に対する慰謝料を販売店に要求する。

会社側の見解

旅行契約を締結する際に、受託販売店は、海外クルーズ旅行の条件書(説明書面)を交付しました。また、そのなかには「妊娠24週以降の妊婦は乗船できない」旨が記載されているので、企画・実施の当社は「説明義務違反」にはなりません。また契約締結時には、奥様からは「旅行出発時は妊娠5ヵ月(20週目)となる」と伺っているので、当社の契約締結時の過失はありません。お送りした「旅のご案内」を見て、このことを知ったといわれるが、今になって「出発時は、妊娠30週目になる」と受託販売店が知ったが、これでは、船会社から乗船拒否に遭うので、旅行に参加することは無理であり、お客様側から契約を解除していただくことになります。そしてこの場合、取消料として旅行代金の90%相当の約19万円かかることも案内。しかし、お客様は「説明義務違反」だと主張され、取消料の支払いに応じてくれないでいます。

解決

申込時に、奥様から、「出発時は、妊娠5カ月くらい」という曖昧な申告をもとに、安易に契約を締結してしまったことや、注意事項や診断書提出についての説明が不足していたことを一部認め、取消料を8万円に減額して提示したが、その後の連絡は途絶えている。引き続きコンタクトを試みるが、これ以上の決済はできない。

解決の指針

旅行契約の締結に際して、企画・実施会社は、「旅行に参加する資格を定める場合にあっては、その旨および当該資格」について、説明書面を交付してお客様に説明しなければならない(法第12条の4第1項、同2項、契規則第3条第1項第1号のヲ)。しかしながら、この規定は「参加資格」というように、「性別、年齢、一定の技能を有していること」など、積極的な地位を指し、「妊娠していないこと」などという消極要件とは関係ありません。
そこで本件の場合、受託販売店が旅行条件書の交付を怠っていたのなら、企画・実施会社は説明義務違反となり、これを理由に契約の解除が成されたとすると取消料の収受はできません。しかし、旅行契約成立前に「出発時に妊娠24週目以降になる妊婦は乗船できない」旨を記載した旅行条件書を受託販売店が渡しているので、説明義務違反は問われません。
つぎに受託販売店は、企画・実施会社に代わりどの程度まで説明したかが問題となります。この点で受託販売店は、曖昧な申告をもとに安易に契約を締結したことや一部に説明不足があったことを認めており、これを考慮し、受託販売店自ら、取消料の減額措置をしたことは賢明であったと思われます。なお、このような苦情を防止するには、「奥様が妊娠している」と伺った時点で、再度、旅行条件書を示して船会社の制約条件を説明することがトラブル防止になるものと考えます。

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