苦情の報告 事例インデックス : 過去の主な事例索引 募集広告に記載の旅行代金と、実際の請求額が異なっている。
契約時の値段で旅行催行すべきだ。(2015年)

更新日:2023年09月25日


Webによる申込み 旅行代金
契約形態 募集型企画旅行
申出人 Kさん(女性、43才、会社員)
企画・実施会社 F社
申込旅行 旅館宿泊プラン(旅行代金 18,000円)
出発月 2015年1月

申出内容

インターネットでF社のHPを見ていたところ、有名旅館の宿泊料が1泊1,800円となっていた。これは非常に安くお得だと思い、申込みフォームに必要事項を入力し、クレジットカードの会員番号も伝え、承諾を得た。
しかし、数時間後にF社からメールが届き、そこには「表示金額が間違っていました。正しくは1泊18,000円です。ご旅行をされるには、残金をお支払いいただく必要があります」という内容が記載されていた。HP上で誤って表示したのはF社のミスであり、既に契約が成立しているのだから追加代金を支払う必要はないのではないか。現に民法第95条には「表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない」という条文が記載されているではないか。追加代金の支払いには納得がいかないので、当初の1,800円で宿泊することを希望する。

会社側の見解

当社の入力ミスでご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申しあげます。
しかし、Kさんは過去にも同じようなことを繰り返している方で、金額の誤表示にはお気づきになられているのではないかと思われます。もし当社の回答にご納得されないのであれば、裁判で争うことも視野に検討したい。

解決

追加代金にご納得されないならば、裁判も辞さないというF社の見解を聞いたKさんが苦情を取り下げ、取消しを行い解決に至った。

解決の指針

民法第95条には、「意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。」との記載があります。旅行における旅行代金の表示は、F社にとって重要であり、その記載を誤ることはF社にとって重大な過失と判断される可能性が高く、F社が契約の無効を主張することはできないことから、当初の契約時の金額が有効なものになってしまう可能性が高いものと思われます。その一方で、Kさんに悪意がある(F社は錯誤があると気付いている)と認められる場合には、F社は錯誤無効を主張できるという判例もありますが、実際にF社にとってKさんが、F社の誤りを知っていたと証明することは、一般的には容易ではありません。今回は、Kさんの過去の履歴から悪意の立証は可能だと判断したものと思われます。ただ、過去にもF社に旅行代金の誤表示があったということは、反対におとり広告を行っていると判断されかねないので、広告表示には、一層の注意を払う必要があります。

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