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更新日:2023年01月31日
外国人専用席から観覧する釜山花火大会を楽しみに参加した。ところが、バスドライバーが道路事情に不慣れで釜山市内で道に迷い、大渋滞と重なり駐車場に辿り着けず、途中から歩いて花火大会会場に向かうことになった。結局、外国人専用席からの鑑賞ができず、途中で立ち見をする結果となった。 また、帰りは駐車場に行ってもまだバスは到着しておらず、ガイドと添乗員の判断で、同じD社の別ツアーのバスに乗せてもらい、高速道路のサービスエリアで乗車予定のバスと合流することとなった。無駄を要した時間(往路が120分、復路が90分)と労力に対する慰謝を示し、D社は旅行代金全額を返金しなさい。
ドライバーが釜山の道路事情によく精通しておらず、またガイドとのコミュニケーション不足が原因で起きたことで、多大なるご迷惑をお掛けしたことは事実であり、心よりお詫び申しあげます。
当該コースは釜山花火大会だけが主目的でないが、債務不履行事案と捉え、営業的配慮を含めて旅行代金の半額相当分をお詫び金とし、残りをお見舞金として、旅行代金全額をご参加の全ての参加者にお詫び状を添えて支払ってケースクローズとなった。
本事例は、広告に表示した「外国人専用席」からの花火観賞ができなかったのが、旅行会社の債務不履行になるかという点が問題となります。旅行会社は、募集型企画旅行契約に基づき、旅行日程を実現できるサービス事業者を選択して手配する債務を負っています。D社が認めるように、「ソウル市内のバス会社でドライバーが釜山の道路事情によく精通しておらず、またガイドとのコミュニケーション不足が原因で起きたこと」で、釜山の道路事情に精通した運転手のいるバス会社手配も可能であったとすれば、バス会社の選択に過失があったとして、債務不履行になると言わざるを得ないでしょう。 そうすると、参加者は旅行代金のうち、外国人専用席からの花火鑑賞をするための分は無駄な出費に終わったことになりますから、その分が参加者の受けた「損害の一部」になることは間違いありません。問題は、参加者は期待していた花火鑑賞ができなかったという意味で、精神的な損害(期待権の侵害とも呼ばれます)を受けているので、その分をいくらと評価するかです。この旅行の主目的は、外国人専用席からの花火観賞と紅葉狩りであり、その半分の旅程が果たせなかったということで旅行代金の半分を返金し、さらに、半分相当をお見舞金として支払ったというD社の対応は、考え方としては間違ってはいませんが、お見舞金が精神的損害に見合っているか、過剰かという点では、議論の余地があると思われます。 なお、バスドライバーは釜山市内の道路事情を平均的以上には知っていたが、渋滞等でたまたま道に迷ったということであれば、バス会社の選択、手配自体には問題はないことになり、この場合には旅行会社には債務不履行はないことになります。ただし、ドライバーが渋滞等により道に迷ったことに過失があるときは、バス会社の過失としてバス会社が損害賠償を行うべきものとなり、対応は全く異なることになります。その意味で、原因が何であったのかの究明は慎重に行う必要があります。 本事例のような旅行の主目的が、ツアータイトルに記載したイベントを取扱うような場合には、通常では発生しない想定外の事態をも想定し、より慎重な手配が必要かと思われます。
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