苦情の報告2022(事例集) 【苦情事例集/コロナ事例 K】

更新日:2023年01月30日


入国できない航空券を販売しておいて、返金がないのはおかしい!

コロナ事例 Ⓚ 手配旅行契約の原則

契約形態 手配旅行
申出人 男性:60歳
申込旅行 アメリカ行き航空券(欧州乗り継ぎ便)
旅行代金 104,300円×2名
出発日 2021年10月

申出内容

旅行会社のWebを利用し、最安値のアメリカ行き(フランクフルト経由)の航空券を購入しましたが、その後、アメリカでは過去14日間以内にヨーロッパ滞在歴のある外国人の入国を禁止しているとの情報を得ました。
すぐに旅行会社へ状況を確認すると、「現時点でアメリカ国籍以外のヨーロッパ経由での入国は禁止となっています。また、日程等の変更は有料で可能だが、取消しは当該航空会社の規定により取消料は免除されない」とのこと。
1年後にも訪米の予定があるので日程変更の余地もあるものの、そもそも入国できない航空券を販売しておいて返金がないのは納得できません。

会社見解

手配旅行契約に基づき、出入国における最新の情報等はお客様の責任でご確認いただいております。
しかしながら、入国できない事実もあるため、取消しのご希望の場合は運休による取消料免除の可能性を見極めるなど、出来うる善後策を検討いたします。

解決

復路便が運休となり航空会社の取消料が免除となった。旅行会社の取扱料金表にある「手配手数料」と「取消手続手数料」を差し引いた金額を払い戻しケースクローズ。

解決の指針

この規定は、世界的な新型コロナウイルス感染拡大を受け、2020年3月の米国大統領令により、米国入国14日以内にシェンゲン協定国26カ国、中国、またはイランに滞在歴がある永住者以外の外国人の入国が禁止されたことに端を発します。
お客様は、手約款第3条にある「当社が善良な管理者の注意をもって旅行サービスの手配をしたときは、手配旅行契約に基づく当社の債務の履行は終了します」という善管注意義務違反の可能性を指摘されていますが、ここに言う「旅行サービスの手配」とは入国条件まで考慮しなければならないものかが、ポイントになります。
標準旅行業約款は、旅行契約とは別に出入国手続き等につき渡航手続代行契約という契約類型を定めていることから、旅行契約の内容としては入国条件等の渡航手続に関する事項は対象になっていないと解されます。会社見解にあるように、基本的には「出入国における最新の情報等はお客様の責任でご確認いただいております」というスタンスで良いのですが、この点はトラブル防止のためにも、お客様に書面で注意を促す等の工夫が必要でしょう。

 

ワンポイントColumn : 渡航手続き代行契約の債務

この契約は、旅行会社が渡航手続き代行に対する旅行業務取扱料金を収受することで、旅行者の委託により、次に掲げる業務を引き受ける契約をいいます。
1)旅券、査証(ビザ)、再入国許可及び各種証明書の取得に関する手続き
2)出入国手続き書類の作成
3)その他前各号に関する業務
契約を結んだ場合、旅券や査証の取得において適切に対応しなければなりません。
しかしながら、お客様の事由により取得が困難な場合はその責任を負うものではありません。

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