苦情の報告2020 (事例集) 私は障害があるが、無理を押し付けてはいない。

更新日:2023年02月01日


あるニャン事例 3 障害者差別解消法と合理的配慮

契約形態 募集型企画旅行
申出人 女性:36歳
申込旅行 Web専用ホノルル6日間
旅行代金 126,800円×2名
出発日 2019年6月

申出内容

新インターネットで旅行を探していたところ、手頃な料金でハワイに行けるので申込みました。
申込備考欄に、「特別な配慮を必要とする方」とあったので障害がある私は該当するものと思い、できる限りの要望を書きました。
体質としては①臭い、音、光などの環境に敏感な体質②心配性で不安が出やすい③精神障害者保健福祉手帳3級認定。
また航空座席に関しては④窓側2列の並び席⑤トイレ、ギャレー、バシネット席から離れた席。
ホテルの部屋は⑥ベッドは2台⑦15階未満の低層階(高所恐怖症があるため)⑧海が見える部屋(海の音や匂いで症状が落ち着きます)⑨排気ガスが非常に苦手なので車道に面した部屋は無理です⑩エレベーターから離れた部屋⑪工事音、機械音(室外機など)のしない部屋⑫床ジラミやゴキブリが出ない部屋⑬カビや薬品など変な臭いがしない部屋。
これらのことをADA(障害をもつアメリカ人法)に基づき要望します。
数日経って旅行会社から、申込を拒否されました。理由を教えてください。

会社見解

こ利用予定のハワイアン航空にお客様のご要望を連絡しましたが、座席の指定はできないとのことです。また、宿泊予定のシェラトンホテルは15階未満の低層階で道路に面していない部屋は考慮いただけることですが、他の条件に関しては当日にホテルが対応するとの回答です。つきましては総合的に勘案し、せっかくお申込いただいたご旅行ですが、弊社では十分なサービスの提供が困難と考えますので、参加はご遠慮願います。ご旅行代金は全額返金させていただきます。

解決!

ヨーロッパに個人旅行で行った際は、いろいろ要望を聞いてもらった。
「今回はハワイなのでパッケージツアーが便利だと思い申込んでみたけど残念!」と嫌味たっぷりな返信とともに終了。

解決の指針

ハワイ旅行では、座席指定、部屋指定ができるコースの設定があり、その内容により旅行代金は違ってきます。この旅行者が申込んだ廉価なコースは、航空会社指定はできなくホテルの部屋のカテゴリーも指定できないROH(RUN OF THE HOUSE)というもので、旅行会社の施策として安価な旅行代金を訴求する商品です。
お客様は精神障害者保健福祉手帳3級をお持ちのようですが、この場合、旅行会社は旅行者の要望を確認し「受付できない合理的理由がある場合」はその理由を説明して契約の締結を拒否することができます(募約款第7条第1項(8))。本件の場合は、旅行代金まで収受しているので、契約は成立していたと主張される恐れがあり、その場合は契約を解除することになりますが、解除事由としては、募約款第17条1項(4)の「旅行者が、契約内容に関し合理的な範囲を超える負担を求めたとき」を適用するしかありません。
契約の解除は、契約の締結の拒否よりも事由が限られますので、「特別な配慮を要望する方は、ご要望に応じられるか検討しますので、その間は契約の締結を保留させていただきます」と明記しておいたほうが良いでしょう。
なお、申込の旅行者から要望が多く煩雑だという理由で、要望を検討することなく契約の締結を拒否することは、障害者差別解消法に抵触するので十分気を付ける必要があります。

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