苦情の報告2022(事例集) 【苦情事例集/2021年度事例 02】

更新日:2023年03月24日


旅行代金を間違えたのはそちらです。

2021年度事例 ❷ 旅行代金の表示間違い

契約形態 募集型企画旅行(受託販売商品)
申出人 女性:40歳
申込旅行 日帰り 八重山4島観光
旅行代金 18,000円×1名
出発日 2021年7月

申出内容

旅行会社のホームページから、1人14,500円の石垣島発着の八重山4島観光オプショナルツアーを申し込み、クレジットカードで支払いました。
申込後、旅行会社から本来の旅行代金は18,000円で、14,500円は誤って表示した旅行代金なので、差額の3,500円を頂戴したいと謝罪とともに電話がありました。
旅行代金を間違って掲載したのは旅行会社であり、こちらは代金も支払い済です。当初の旅行代金14,500円で旅行に行かせてください。

会社見解

このたびは弊社による誤った旅行代金の掲載及び収受によりお客様にご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。しかしながら、お客様へ誤案内についてご連絡を差し上げた際は、弊社からカード会社への決済確定連絡前であり契約は成立しておりません。また、受託販売商品であることから弊社の裁量で旅行代金の減額はできません。契約締結を希望される場合は、差額のお支払いをお願いいたします。

解決

お客様へ旅行会社の見解を説明するも納得いただけず、「受託販売元へ交渉する」との電話を最後にお客様からの連絡が途絶えてしまう。その後差額が振り込まれた。

解決の指針

旅行会社の「カード会社への決済確定連絡前であり契約が成立していない」という旅行会社の見解は間違った解釈です。
旅行会社は14,500円でカード決済にOKしているので、契約は成立しています。契約が成立していないと主張できるのは、お客様のカードが与信不足等で決済できなかったときで、カード会社で決済するタイミングに関わるものではありません(通信契約であれば、募約款第17条第1項8号により旅行会社は契約を解除でき、それ以外の契約では、同条第2項により支払期限の翌日に契約は解除されたものとなります)。
この事案でポイントになるのは、「錯誤」の問題で、ここではこの事案をもとに解説します。
「錯誤」とは意思表示に誤解があることをいいます。つまり、旅行会社の意思は18,000円だが、表示は14,500円になってしまった点に旅行会社の錯誤があります。
民法第95条第1項では、「その錯誤(間違い)が重要なものである場合は取消すことができる」とありますが、 同条第3項では、「錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、意思表示の取消しをすることがで きない」とあります。代金は取引において最重要なことですから、その錯誤は重要なものであり、それだけに注 意して表示すべきものです。特別の事情のない限り旅行会社(表意者)には錯誤につき重大な過失があり、「旅行代金14,500円」という契約を承諾した意思表示を取消すことはできないことになります。
旅行代金の表示を含む募集広告は基本的な部分であるので、チェック体制をきちんと構築し、間違いのないようにすることが重要です。

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