苦情の報告2022(事例集) 【苦情事例集/コロナ事例 E】

更新日:2023年01月30日


催行決定が出ていたのにやっぱり止~めた! なんて どういうこと?

コロナ事例 Ⓔ 旅行会社の解除権規定誤適用

契約形態 募集型企画旅行
申出人 男性:33歳
申込旅行 魅惑の道東4日間(添乗員同行 最少催行人員12名)
旅行代金 79,800円 × 2名
出発日 2021年7月

申出内容

まん延防止等重点措置が発令されているなか、旅行会社のサイトで「催行決定がされている商品」を発見。すぐにクレジット決済で旅行を申し込みました。
出発日から10日ほど前、旅行会社から連絡があり、「大量のキャンセルが出たので今回の旅行は取り止めになります。決済されているカードから旅行代金を返金します」と電話がありました。理由を聞くと、旅行先でコロナ感染者が激増しているので、お客様の安全を考慮した結果ですと、あたかも旅行会社には非がないような言い方。
旅行条件書では募約款第17条第1項の(5)と(7)の適用となりますと言いますが、一度催行決定されているものをなしにしてくださいなんてことをやっていいんですか。

会社見解

誠に残念ですが、新型コロナ感染症拡大に歯止めがかからず、催行決定したのにも関わらず、出発間近になって大人数の取消しが入り、ツアーが採算割れすることで、催行を中止いたしました。

解決

損害賠償として旅行代金に1万円をプラスして返金することで解決。

解決の指針

旅行会社は催行を決定し、この旅行を手配することを引き受けると約束している以上、その約束を反故にすることは債務の不履行にあたります。一度、催行決定と表示しているので、その後旅行者が最少催行人員に満たず催行した場合に収支が赤字になるとしても、催行決定を覆すことはできません。
旅行会社が旅行開始前に旅行を解除できる条文として募約款第17条第1項の(5)や(7)をあげていますが、(5)はまだ催行を決定していない段階のもので、この状態で契約を解除する場合は、第3項にある、「国内旅行の場合は旅行開始日の前日からさかのぼって13日目に当たる日より前に通知しなければなりません」は適用することはできません。旅行会社は催行決定通知をする際には、その後の取消しの可能性につきリスク判断をする必要があるわけです。
また、(7)を適用する場合は、旅行先までの運送機関や宿泊機関のサービスの中止が生じ、契約書面に記載した旅行日程に従った旅行の安全かつ円滑な実施が不可能になった場合だけで、旅行会社が述べている見解は該当しません。
いくつかの旅行会社ではお客様1人ひとりに連絡をとり、他の類似商品へ割引などの特典を付けて変更してもらったり、この事案のように損害賠償としてお詫び金を支払って解決を図っているところもあるようです。

 

ワンポイントColumn : 旅行内容が「決定していない」のなら『預り金』

約款のなかには「申込金」という言葉がありますが、「預り金」という単語は出てきません。「預り金」はどのようなときに使用するかというと、JRを使った募集型企画旅行で、出発日まで1カ月以上あるためマル契乗車券の予約ができないものの、「予約をお預かりするとき」にお客様からのご入金と引き換えに渡す領収書に書かれるものです。旅行会社はJRの便を優先順位のリクエストでお預かりします。万一「申込金」と表示した場合は、契約が有効に成立することになるので旅行会社の債務が発生します。

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