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更新日:2023年09月25日
フィンランドのヘルシンキ経由でノルウェーのオスロに行く航空券を買いました。私は大学で社会保障の勉強をしている学生で、現地のNPO法人にゼミの卒論に使いたい資料がたくさん保管されていることを指導教授から聞き、またインターネットでもその詳細はある程度把握しているものの、社会保障先進国の北欧で「現場」を見てみたいと大学の後期の間を使い現地に向かいました。 ところが経由地のヘルシンキの空港に降り立ち入国しようとすると、帰りの航空券の提示を求められオスロでの滞在期間が100日を超えるので、帰りの航空券は買い直して、90日以内に出国するよう求められました。どうやら「シェンゲン協定」とかいうものに触れるとのこと。航空券をインターネットで購入したときは、旅行会社からなんの説明も受けていません。また、「シェンゲン協定」とかいうものについても、旅行会社のサイトでは見たことはありません。
弊社の「手配旅行」のサイトの旅行条件書には、「シェンゲン協定」について言及したものはございません。しかしながら「手配旅行」はお客様からの申出によって航空券を手配した段階で債務は完了しているものと考えます。渡航先に滞在できる期間はお客様ご自身が確認すべき事項かと考えます。
国内にいるご家族からも執拗に電話が入り、「案内不足」に言及されたものの、旅行会社はお客様の主張を受け入れていない。
申出内容が言っているのは、100日を超えて滞在するのなら、シェンゲン協定による無査証での入国はできないので、発券の際に査証が必要なことを注意して欲しかったということかと思われます。 最近、「そんなこと何処に書いてあるの?」というお客様の声を聞きます。このような声を聞くにつけ、日本人の契約意識が変化してきたことを感じます。 日本には契約の解釈において「信義誠実の原則(=信義則)」と呼ばれる考え方があります。取引の目的を実現するのに必要な事項は契約書類に記載されていなくても、「お互いに不明な点を確認し合うなどして相手の信頼に沿うようにしなければならない」というものです。 旅行取引での例を挙げれば、国際航空券の申込みを受けた以上、その航空券で入国したり、乗り継いだり、ストップ・オーバーする国で査証が必要なのかどうか、旅券の残存有効期間が足りているのかなどは、お客様からいちいち聞かれなくても教えてくれて当然だろう、といういささか自己中心的な主張につながります。旅行会社が、こうしたお客様の信頼に応えるだけの意思と態勢があれば、高く評価されることになります。 しかし、旅行会社によっては、そこまでのサービス提供する意思がない、して差し上げたいけれどもその態勢にないという会社もあるでしょう。その場合には、お客様が旅行会社を過信することのないように、あらかじめ明確に釘を刺しておく必要があります。例を挙げれば、国際航空券の手配を手配旅行契約で引き受ける場合の取引条件説明書面に、「お客様が当社でお求めの航空券で旅行する際に必要な旅券の残存有効期間、訪問先国、航空機を乗継ぐ国、航空機が経由する国での査証の要否、必要な場合の査証の種類および必要な予防接種の種類など、お客様の渡航に必要なことはお客様自身でお調べのうえ、必要な手続をお客様自身の責任で完了してください」と明確に記載しておき、これに加えて、「当社は、お客様からご依頼いただければ、これらの業務を別途渡航手続代行契約に基づき有料で引き受けることがあります」と書き添えることで、個別の依頼がないかぎり、お客様と旅行業者との間で「必要な渡航手続は、お客様自身で確認し手続を進める」という約定ができたことになり、「旅券の残存有効期間の確認、査証の要否等の案内をすることが信義則上の義務かどうか」という議論を排除することができます。
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